2010 Fiscal Year Annual Research Report
RNAiスクリーニングによるC型肝炎ウイルス感染成立に寄与する宿主因子の探索
Project/Area Number |
20590756
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
邵 力 山形大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80344787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 久剛 山形大学, 医学部, 講師 (00332536)
齋藤 貴史 山形大学, 医学部, 准教授 (80250918)
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Keywords | C型肝炎 / RNAi / HCV replicon / 自然免疫 / 脂質代謝 |
Research Abstract |
C型肝炎ウイルス(HCV)の感染・複製に関与する宿主因子の詳細は、いまだ十分に解明されていない。近年のHCV培養細胞感染系の樹立は、HCV複製機構や関連宿主因子の解明に新しい道を開くこととなった。本研究では、HCV培養細胞感染系を用いて、RNA干渉スクリーニング法によりHCV感染・複製に必要な宿主因子を探索・同定することを目的とした。昨年度までは、主にHcv培養細胞感染系にsiRNAライブラリーのスクリーニングを行った。その結果、HCV増殖に関わると推定される6つの候補遺伝子を見出すことができた。また、siRNAやモノクローナル抗体による遺伝子機能阻害(loss-of-function)実験から、6つの因子のうちMxという遺伝子がHCVの感染に必要であることかつ侵入に重要な役割を担っていることが検証された。H22年度は、肝がん細胞株Huh-7.5.1にMxを強制発現させ、遺伝子機能亢進(gain-of-function)によるHCV感染に及ぼす影響を検討した。Real-time PCRやWestern Blottingの結果から、Mx遺伝子の発現亢進がHCV感染・増殖に促進することが明らかになった。さらに、免疫蛍光染色法やタンデムタグ免疫沈降法を用いてMx蛋白質とHCVの相互作用を調べたところ、MxがHCV粒子の吸着、侵入に関与していることが示された。結論として、我々はHCV培養細胞感染系を用いたsiRNAライブラリーによる効率的なHcv感染・複製に関わる宿主因子のスクリーニング法を確立し、その結果、HCV粒子の吸着、侵入に関わる新規宿主因子Mxを同定できた。今後、本因子のHCV感染成立に関わる詳細なメカニズムを明らかにするとともに新たな抗ウイルス剤の標的の探索も目指したい。
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