2011 Fiscal Year Annual Research Report
非アルコール性脂肪性肝炎の病態における核内レセプターPXRとCARのクロストーク
Project/Area Number |
20590759
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
柿崎 暁 群馬大学, 医学部, 助教 (80344935)
|
Keywords | 非アルコール性脂肪性肝炎 / 核内レセプター / CAR / PXR / Cytochrome P450 / 肝線維化 |
Research Abstract |
本研究は、非アルコール性脂肪性肝炎(Non alcoholic steatohepatitis,NASH)の病態における核内レセプターPXR及びCARの意義、両レセプター間のクロストークの詳細を明らかにすることを目的としている。 ノックアウト(KO)マウスを用いた動物実験を行い、以下の研究成果を得た。 1.メチオニン・コリン欠乏食(MCD食)によるNASHモデルでの比較検討 マウスは系統間で、NASHの疾患感受性に差がある。NASHに疾患感受性のあるC57BL/6N系を背景としたPXR KOマウス、CAR KOマウスを作成した。MCD食を投与し、実験的NASHモデルを作成した。各群で、8週、16週間MCD食を投与した後、解剖し、血液、肝臓を採取した。CAR KOマウスでは、野生型マウス(WT)に比較し、MCD食によるNASHが有意に軽かった。CARは、MCD食によるNASHモデルにおいて、ROS(活性酸素)の産生を亢進させ、肝障害・肝線維化を増悪させた。PXR KOマウスでは、WTマウスと比較し有意な差はみられなかった。 2,CAR KOマウスを用いたMCD/NASHモデルでの発癌実験 CAR KOマウスでは、MCD食による肝障害がWTと比較し有意に軽かったことから、NASHからの発癌におけるCARの役割を検討するため発癌実験を行った。Diethylnitrosamine(DEN)を投与した後、MCD食で長期飼育した。発癌は、WTでは、KOマウスに比べ有意に発癌が亢進していた。CARは細胞増殖を亢進させることにより発癌に関与していることが示唆された。
|
Research Products
(9 results)