2010 Fiscal Year Annual Research Report
肝におけるアミノ酸を用いたIGF-Iの産生促進:硬変肝における意義の検討
Project/Area Number |
20590761
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
冨谷 智明 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (90227637)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 均 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80202422)
|
Keywords | 再生医学 / 栄養学 / トランスレーショナルリサーチ / 生理活性 |
Research Abstract |
増殖、代謝調節、生存シグナルの増強、活性酸素の軽減など種々の生物活性を有するIGF-I(insulin-like growth factor I)は、主として肝、中でも肝細胞、一部肝星細胞で産生される。肝硬変患者ではIGF-Iの血中濃度が低下しており、肝硬変患者に対する投与試験では肝機能の回復が報告されている。本研究は生理活性物質であるアミノ酸の投与によるIGF-Iの産生促進作用を評価した上で、最終的に肝硬変におけるIGF-Iの誘導を介した病態改善作用を検討する事を目標とする。ラット初代培養肝細胞におけるIGF-I産生に対するアミノ酸添加の影響を検討したところ、いくつかのアミノ酸が程度に差はあるものの産生促進作用を有する事を見出した。また、このIGF-Iは肝細胞に直接作用して、細胞内情報伝達系、特にmTOR系を中心に活性化し、肝細胞増殖、肝細胞蛋白合成能、糖代謝能を促進することを見出した。これらの効果は情報伝達系のinhibitor添加により抑制された。IGF-Iは従来肝細胞に対する効果は明らかでは無かったが、我々の検討ではIGF-Iは直接肝細胞に対して効果を持ちうる事が明らかになった。肝細胞機能低下状態にある肝硬変においては、IGF-Iをup-regulateする事は、肝細胞に直接作用して肝機能改善に有効と推定された。
|
Research Products
(5 results)
-
-
-
[Journal Article] plasma level of bioactive lipid mediator sphingosine 1-phosphate is reduced in patients with chronic hepatitis C.2010
Author(s)
Ikeda H, Ohkawa R, Watanabe N, Nakamura K, Kume Y, Nakagawa H, Yoshida H, Okubo S, Yokota H, Tomiya T, et al.
-
Journal Title
Clin Chim Acta
Volume: 416
Pages: 765-770
Peer Reviewed
-
-