2009 Fiscal Year Annual Research Report
データ・マイニング解析、ウイルス遺伝子解析によるC型肝炎の病態解明
Project/Area Number |
20590768
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
黒崎 雅之 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 医学研究員 (10280976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 並木 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 医学研究員 (20397300)
榎本 信幸 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (20251530)
朝比奈 靖浩 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 医学研究員 (00422692)
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Keywords | データマイニング / C型肝炎 / 肝がん / インターフェロン / 個別化診療 |
Research Abstract |
C型慢性肝炎に対するインターフェロン治療において、HCVRNAが陰性化したのちに再燃する現象に関連する因子についてデータ・マイニング手法を用いて解析した。その結果、再燃と関連したのは、高齢、HCVRNA陰性化時期、RBV投与量、性別、およびISDR変異であった。HCVRNAが4週以内に陰性化した症例からの再燃は11%、8週以内だと24%、12週以内だと37%であり、12週以降にHCVRNAが陰性化した症例からの再燃は70%であった。5-12週でHCVRNAが陰性化した症例に限定して、再燃に関連する因子を解析した結果、全体の再燃率は30%だが、60歳以上、女性、RBV投与量が10mg/kg/day未満が、再燃関連因子であった。5-8週でHCVRNAが陰性化した60歳未満の症例で、RBV投与量が10mg/kg/day以上であれば、再燃率は最も低く10%であったのに対し、9-12週でHCVRNAが陰性化した60歳以上の女性の再燃率は最も高く、65%であった。さらにHCV遺伝子変異も組み込んだ解析では、60歳以上でISDRの変異が0-1の症例の再燃率が最も高く55%であった。以上の結果から、12週以内にHCVRNAが陰性化した症例では、通常は48週間の治療で十分であると考えられてきたが、年齢、性別、ISDRの解析により、再燃のリスクのある症例を同定することが可能であり、これらの症例にはRBV投与量が10mg/kg/day以上になるように十分な治療を行う必要があり、延長投与も考慮すべきであることがあきらかとなった。Core遺伝子は、再燃と関連しないことも明らかとなった。
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Research Products
(4 results)