2010 Fiscal Year Annual Research Report
データ・マイニング解析、ウイルス遺伝子解析によるC型肝炎の病態解明
Project/Area Number |
20590768
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
黒崎 雅之 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 医学研究員 (10280976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 並木 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 医学研究員 (20397300)
榎本 信幸 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (20251530)
朝比奈 靖浩 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 医学研究員 (00422692)
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Keywords | データマイニング / C型肝炎 / 肝がん / インターフェロン / 個別化診療 |
Research Abstract |
C型慢性肝炎における肝発癌リスクを予測するアルゴリズムを作成するために、データマイニング手法を用いて、武蔵野赤十字病院でインターフェロン治療を行いSVRが得られず、その後抗ウイルス療法を行うことなく5年以上観察できた症例を対象として、5年以内に発癌するリスクを予測するアルゴリズムを構築した。一般検査を用いた解析では、年齢、血小板数、アルブミン値、AST値が発癌と関連した因子として抽出され、これらの因子の組み合わせで、5年以内の発がん率が0%から21%までのグループを同定できた。一方、肝生検所見を含めた、より詳細な解析で構築された発癌予測モデルでは、アルブミン値、FIB-4、血糖値、肝脂肪化が発癌関連因子として抽出された。アルブミン値、FIB-4は肝線維化を反映する因子として有意になったと推察されるが、血糖値、肝脂肪化は、肝線維化とは独立して発癌と関連しており、発癌リスクを評価する上で重要な臨床マーカーであった。これらの代謝性因子に対して治療を行うことで、発癌が抑止される可能性が仮説として示唆されるが、実際の治療介入で発癌抑止が得られるかは長期にわたる前向き研究が必要である。 ペグインターフェロン・リバビリン併用療法で12週以降にHCVが陰性化したlate responder症例では、ガイドライン上では通常の48週間の治療を24週間延長し、72週間の治療を行うことが推奨されている。しかしながら、延長治療を行っても約半数の症例で治療終了後にウイルスが再出現し、肝炎が再燃する。その要因をデータマイニング解析で分析したところ、年齢と総リバビリン投与量が再燃を規定する最も重要な因子であり、late responderからの再燃を抑止するために必要な総リバビリン量は5g/kgであった。
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Research Products
(4 results)