2009 Fiscal Year Annual Research Report
転写制御因子HNF-4を応用した肝再生療法の確立と肝不全治療システムの構築
Project/Area Number |
20590770
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
永木 正仁 Gifu University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30293559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大澤 陽介 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (60447787)
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Keywords | 肝不全 / 再生医療 / 遺伝子治療 / 肝炎 / 転写因子 |
Research Abstract |
Wistarラットに2-AAF(2-acetylaminofluorene)を皮下投与し、1週間後に70%部分肝切除後、AdHNF-4(2.0×10^9PFU/body)またはAdLac-Zを尾静注した。肝内のoval cell数は、Day9においてHNF群126.8±7.0、コントロール群205.0±11.6、Day 14においてHNF群122.4±15.2、コントロール群204.7±17.6とHNF-4投与マウスで有意に減少していた。PCNAにて細胞増殖を検討したところ、Day9においてHNF群35.6±1.6%、コントロール群56.8±1.9%とHNF-4投与マウスで増殖が抑制されていた。またreal time PCRを用いて遺伝子発現を検討したところ、肝細胞分化マーカーであるHNF-4、ApoCIII、TAT、アルブミンの遺伝子発現の経時的な増加を認め、胆管細胞マーカーであるCK-19は逆に抑制されていた。 in vitroにおいて、基底膜に類似した細胞外マトリックスであるEHSゲル上で肝前駆細胞を培養すると、肝細胞マーカーのアルブミン、AFP、HNF-4およびHNF-1の増加が認められ、EHSゲルは肝前駆細胞に対して肝細胞への分化を促進した。また、EHSゲルとともに細胞移植された肝前駆細胞は、肝細胞への分化、生存維持がみられた。 以上の結果より、HNF-4発現誘導や細胞外マトリックスEHSゲルは、oval cellや肝前駆細胞の肝細胞への分化誘導を促進し、肝不全患者に対しての有用な肝再生治療法となる可能性が示唆された。
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