2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590777
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 仁 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (80467505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三善 英知 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20322183)
平松 直樹 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30362700)
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Keywords | NASH / 糖鎖 / 小胞体ストレス / メタボリックシンドローム / 脂肪肝 |
Research Abstract |
NASHの進展において脂肪酸負荷は病態進展に重要であるが、脂肪酸負荷による小胞体ストレス(ERストレス)の影響をまず検討した。肝癌細胞株(Hepa16)に、分子シャペロン(Oxygen-regulated protein150(ORP150)をアデノウィルスにより過剰発現させたところ、脂肪酸負荷による小胞体ストレスおよび、アポトーシスの誘導が抑制された。一方、脂肪酸負荷により小胞体ストレスが生じる過程が不明であるため、脂肪酸負荷による酸化ストレスが小胞体ストレスに及ぼす影響を検討した。酸化ストレスを抑制するN-acetyl cysteineによる前処置を行うと、脂肪酸負荷によるERストレスおよびアポトーシスが抑制された。以上より、脂肪酸負荷により酸化ストレスが誘導され、ERストレスを引き起こし、ERストレス起因性アポトーシスが誘導されることが明らかとなった。糖鎖修飾は小胞体、ゴルジ体で行われており、酸化ストレスによる小胞体ストレスの誘導と糖鎖修飾の関連についてレクチンアレイを用いて糖鎖関連の遺伝子変動を検討し、その働きを検討している。 平成20年4月より、大阪大学医学部附属病院ならびに、OLF(Osaka Liver Forum)関連施設において臨床研究に関する各倫理委員会の承認を得つつあり、NASH患者の臨床検体収集を開始している。現在までに、20例の臨床検体の収集が行われている。これらの臨床検体に対し、上記の同定遺伝子につき、基礎的検討をまず行い、NASHの臨床病態に関連する糖鎖関連分子を同定する。その後、関連蛋白の血清変動を検討し、症例数を増やしてNASHの診断的価値を有するか検討を行う予定である。
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