2008 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクスを用いた非アルコール性脂肪肝炎の診断マーカーの探索と検証
Project/Area Number |
20590786
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
宇都 浩文 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (20347058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森内 昭博 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40359823)
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Keywords | NAFLD / NASH / kininogen / NBS標識法 / MnSOD / 酸化ストレス |
Research Abstract |
本年度は、ClinProt^<TM>システム(クリンプロット)法と[^<13>C]-NBS標識法の2種類のプロテオミクス手法により、NAFLDや非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の診断マーカーの探索を行なった。(1)NAFLD患者44例と健常者24例の血清タンパク質を比較し、発現ピーク値に有意差(P<0.001)のある蛋白ピークを30種類以上検出した。その中で、1942m/z、2079m/z及び2207m/zのピークタンパク質はそれぞれN末端アミノ酸の長さが異なる高分子量kininogenの断片であることを明らかにした。さらに、NAFLDでは高分子量kininogenの分解が亢進し、その断片濃度が上昇している可能性が示唆されたが、kininogen断片のピーク値はNASH(26名)とSS(13例)で有意差はなかった。(2)ヒト初代培養肝細胞に酸化ストレス(過酸化水素)を負荷し、変動する細胞内タンパク質を[^<13>C]-NBS標識法により44個見出し、4種類は同定した。同定したタンパクの1つであるMnSODについては、その血清濃度を測定し、NAFLDでは健常者と比較し、血清MnSOD濃度が有意に高く、さらにSSに比べNASHで高値であった。このように、高分子量kininogenとその断片、及びMnSODがNAFLDやNASHの病態と関連する可能性が示唆され、NAFLDの診断マーカーとして有用である可能性を明らかにした。今後、NAFLDにおける高分子量kininogenの分解機序やkininogen断片及びMnSODの病態への関与をさらに検討する必要がある。
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Research Products
(6 results)