2008 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎における鉄代謝調節因子GDF15-ヘプシジン制御機構の解明とその治療応用
Project/Area Number |
20590787
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
宮西 浩嗣 Sapporo Medical University, 医学部, 講師 (60372819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 淳二 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20244345)
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Keywords | 遺伝子 / ウィルス / 細胞組織 / 内科 / 臨床 / C型慢性肝炎 / 鉄過剰 |
Research Abstract |
1.十二指腸と肝組織(20検体)よりRNAを抽出し、Taqman realtime-PCR assayによりDMT1、チトクロームb、フェロポルチン1、hephaestinとヘプシジンのmRNA発現を定量化したところ、クエン酸第一鉄100mgを経口投与後120分の血清鉄濃度(Fe120m)とヘプシジンmRNAの間に負の相関(相関係数-0.54)が認められた。またFe120mとフェロポルチン1mRNAの間に正の相関(相関係数0.62)が認められた。なおDMT1、チトクロームb、フェロポルチン1、hephaestinの各因子問には相関関係が認められなかった。 2.mRNA発現の検討結果と同様にFe120mとヘプシジン発現の間に負の相関が、またFe120mとフェロポルチン1発現の問に正の相関が認められた。 3.HCV構成蛋白のうちNS3, NS47A/B, NS5AをHuh7細胞に添加し、0-24時間の経時的なヘプシジンmRNA量の変化をTaqman real time-PCRで測定したが、これらのHCV構成蛋白の添加自体によってはヘプシジン発現量の有意な変化は認められなかった。 4ヒポキサンチンーキサンチンオキシダーゼの基質-酵素反応によって活性酸素(この場合O_2^-)を産生させ、それをHuh7細胞に添加し、0-24時間の経時的なヘプシジンmRNA量の変化をTaqman real time-PCRで測定したが、このラジカル負荷ではヘプシジン発現に有意な変化は認められなかった。 5.結果の意義と重要性 C型慢性肝炎患者ではヘプシジン発現の低下とフェロポルチン1発現増加が鉄過剰吸収の主因であることが示唆された。ただしその機序はHCV感染自体あるいはラジカル負荷による確証はまだ得られず、さらに検討を要する。
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