2009 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎における鉄代謝調節因子GDF15-ヘプシジン制御機構の解明とその治療応用
Project/Area Number |
20590787
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
宮西 浩嗣 Sapporo Medical University, 医学部, 講師 (60372819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 淳二 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20244345)
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Keywords | 遺伝子 / ウィルス / 細胞組織 / 内科 / 臨床 / C型慢性肝炎 / 鉄過剰 |
Research Abstract |
1. HCVウイルス(pJFH由来)感染の有無により、Huh7細胞におけるGDF15とヘプシジン発現量が変化するか否かについて、mRNAをTaqman realtime-PCR assayを用いて測定し、GAPDHの発現量の比から発現量の変化を検討したが、HCV感染によってGDF15,ヘプシジンいずれの発現量にも有意な変化は認められなかった。 2. HCV構成蛋白のうちcore,E1,E2,をHuh7細胞に添加し、0-24時間の0-24時間の経時的なGDF15とヘプシジンmRNA量の変化をTaqman real time-PCRで、蛋白量の変化を免疫染色で測定したが、有意な発現量の変化は認められなかった。したがって、前年度の研究成果と併せ検討するとNS3,NS47A/B,NS5A,core,E1,E2,いずれのHCV構成蛋白の添加によってもHuh7細胞におけるヘプシジン発現に変化が認められず、これらの蛋白がヘプシジン発現と無関係であるか、あるいはHuh7細胞がC型慢性肝炎におけるヘプシジン異常を検索する上で不適当である可能性が考えられた。 3. 以上の結果はC型慢性肝炎におけるヘプシジン異常におけるGDF15の関与を否定するものではなかったことから、前年度研究によって得た十二指腸粘膜検体と肝生検検体から抽出したRNAを用いてヘプシジン発現とGDF15発現を検討したところ、両者に因果関係は認められなかった。HCV感染によるGDF15以外のヘプシジン発現調節因子(ヘモジュベリン、TMPR等)の異常を検索し、ヘプシジン発現異常の機序解明を進行中である。
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