2010 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎における鉄代謝調節因子GDF15-ヘプシジン制御機構の解明とその治療応用
Project/Area Number |
20590787
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
宮西 浩嗣 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60372819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 淳二 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20244345)
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Keywords | 遺伝子 / ウイルス / 細胞組織 / 内科 / 臨床 |
Research Abstract |
1.C型慢性肝炎(CHC)では健常人に比べ有意に鉄吸収が亢進し、十二指腸粘膜のFP-1レベルが上昇していた。また血清Hepcidin濃度および肝Hepcidin発現が低下していた。Hepcidin発現はHemo juvelin発現と有意な正の相関(p=0.0006)を有したが、Matriptase-2,BMP6,TMPRとは相関がなかった。したがってCHCでは、十二指腸FP-1発現が増強していることにより鉄吸収が亢進し肝に鉄貯留が生じていると考えられた。また肝でのHepcidin低下によりFP-1発現が増強していることが示唆され、Hemo juvelin発現の低下がその原因である可能性が示された。 2.Caco-2細胞をtwo-chamber plateで培養により単層膜を作製し、十二指腸粘膜鉄吸収関連4分子を発現させた上で、Hepcidinを添加しFP-1,hephaestin,DMT-1,DcytbのmRNA発現量をTaqman-PCRで測定したところ、FP-1 mRNAの有意な発現低下が認められた。これまでHepcidinはFP-1のdegradationとinternalizationを惹起することが知られていたが、これに加えmRNA発現を抑制するという新たな知見が得られ、CHCの治療としてhepcidin補充の可能性が見出された。 3.hepcidin遺伝子をplasmid上流に挿入することにより、Hepcidin産生plasmidを作成した。今後LEC ratに投与し鉄吸収抑制効果を判定する。
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