2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590795
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
村田 一素 Jichi Medical University, 医学部, 准教授 (40345971)
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Keywords | PIVKA-II / 肝癌 / EMT / Cttoskeletal rearrangement |
Research Abstract |
(1)肝癌細胞株(HepG2, PLC/PRF/5)をTPAまたはTGF-βを用いて化学的にepithelial mesenchymal transition (EMT)を誘導し、その上清を用いてELISAにてPIVKA-II濃度を測定したところTPA, TGF-βの容量依存性にPIVKA-IIの産生を認めた。 (2)それらの細胞がEMTをおこしているかの確認としてwestern blottingおよび蛍光免疫染色を行ったところ、両細胞はTPAおよびTGF-bにてE-cadherinの発現低下を認め、さらにE-cadherinの発現が低下した細胞がPIVKA-IIを産生していた。 (3)臨床上、血清PIVKA-II値が高値を示す肝癌患者に対しビタミンK2製剤を投与すると血清PIVKA-IIの値が低下することから肝癌はPIVKA-IIを積極的に産生しているのではなくビタミンKの機能的取り込み障害により産生されるとの仮説を立てた。標識ビタミンKは市販されていないので(脂溶性であるビタミンKはLDL receptorを介して肝に取り込まれることから)標識LDLを用いて取り込み実験を行った。TPAまたはTGF-β処理肝細胞株は標識LDLの取り込みが低下しており、取り込みが低下した細胞でPIVKA-IIの産生を認めた。 (4)さらに脂質の取り込みにはclathrin-mediated endocytosis (CME)が重要であるがCMEにおいてアクチンが重要である。そこでアクチンを処理前後で調べると処理細胞ではアクチンのrearrangementが起こり、その細胞でPIVKA-IIの産生を認めた。 これらの結果からEMT時におけるactin rearrangementによりCMEが障害される結果、PIVKA-IIが産生されると考えられた。
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