2008 Fiscal Year Annual Research Report
原発性胆汁性肝硬変の新しい病型分類と長期予後診断法の確立
Project/Area Number |
20590800
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Nagasaki Medical Center |
Principal Investigator |
中村 稔 Department of Clinical Research, National Hospital Organization Nagasaki Medical Center, 長崎医療センター・臨床研究センター, 客員研究員 (40217906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小森 敦正 長崎医療センター, 臨床研究センター, 再生医療研究室長 (50234901)
石橋 大海 長崎医療センター, 臨床研究センター, 臨床研究センター長 (80127969)
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Keywords | 原発性胆汁性肝硬変 / SNPs / バイオマーカー / 抗gp210抗体 / 抗セントロメア抗体 / 黄疸型進行 / 非黄疸型進行 / 長期予後診断 |
Research Abstract |
原発性胆汁性肝硬変(PBC)には、長期間経過を観察してもほとんど進行しない症例(予後良好群)から、黄疸、肝硬変、肝不全へ進行し肝移植以外に救命方法がない症例(予後不良群)までさまざまな重症度の症例が存在する。しかし、PBCの発症早期に、これらの予後良好群と不良群を鑑別するために有用なバイオマーカーは知られていなかった。我々は、国立病院機構肝疾患共同研究グループ(NHOSLJ)による多施設共同研究を行い、昨年度までに抗gp210抗体と抗セントロメア抗体の測定が、PBCの病型分類や予後予測に有用であることを報告してきた。今年度は、そのvalidation studyと、PBCの進行を規定している遺伝的素因を明らかにするために、遺伝子多型の解析を開始した。全国の基幹病院10施設による多施設共同研究(厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業、難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究、gp210working group)では、抗gp210抗体と抗セントロメア抗体の意義が確認された。また、国立病院機構肝疾患共同研究グループ(NHOSLJ)による遺伝子解析の多施設共同研究では、候補遺伝子法により、黄疸型進行にmultidrug resistance protein 3(MDR3)遺伝子多型が関与することを世界で初めて見出した。現在、免疫関連分子や胆汁酸代謝に関与する候補遺伝子の一塩基多型解析を継続するとともに、我々の提唱している病型分類に基づいてPBC患者を層別化してgenome wide association studyによる新規SNPの探索を開始している。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article]2008
Author(s)
中村稔, 下田愼治, 小森敦正, 石橋大海
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Journal Title
BIO Clinica(原発性胆汁性肝硬変における抗gp210抗体の臨床的意義)
Pages: 1136-1143
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