2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590804
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊地知 秀明 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 助教 (70463841)
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Keywords | 膵癌 / 遺伝子改変マウス / 起源細胞 / Nestin-creER / Kras / TGF-beta / Tamoxifen-inducible |
Research Abstract |
我々の樹立した膵臓上皮特異的遺伝子改変マウス(遺伝子型:Ptfla^<cre/+>;LSL-Kras^<G12D/+>;Tgfbr2^<flox/flox>)は、Krasの活性化とTGF-betaシグナルのブロックにより、臨床の膵癌をよく近似した線維化の著明な管状腺癌を呈するが、膵臓の全上皮細胞で遺伝子改変が生じているため、膵癌の起源細胞は同定不可能である。また、このモデルでは、Ptflaが発現する胎生期から遺伝子改変が開始され、実際のヒトの癌のようなAdult-onsetの発癌ではない。一方、最近、Nestin-cre ; LSL-Kras^<G12D/+>というモデルでNestin陽性細胞特異的にKras活性化を起こすと膵臓に前癌病変PanINが生じることが報告されたが、そのモデルでは浸潤癌は得られていない。 そこで本研究では、Nestin-creER ; LSL-Kras^<G12d/+> ; Tgfbr2^<flox/flox>という遺伝子型のマウスを作成し、成熟期のマウスにTamoxifenを投与してKras活性化とTGF-betaシグナルのブロックを開始し、成熟期の膵におけるNestin陽性細胞が膵癌の起源細胞であることの証明を試みる。 今年度は、このNestin-creERのラインが所属機関の動物施設へ搬入され、交配を重ねて目的の遺伝子型Nestin-creER ; LSL-Kras^<G12D/+> ; Tgfbr2^<flox/flox>、及び対照となるNestin-creER;LSI-Kras^<G12D/+>とNestin-creER ; Tgfbr2^<flox/flox>が得られる段階となった。その後、生後8週以降のマウスにTamoxifenを投与し、その表現型を現在解析中である。
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