2010 Fiscal Year Annual Research Report
切除不能局所進行性膵癌に対する免疫細胞療法の有効性と安全性の評価検討(第2相)
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20590806
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
廣岡 芳樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 准教授 (50324413)
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Keywords | 免疫細胞療法 / 切除不能局所進行膵癌 / 未熟樹状細胞 / 超音波内視鏡下穿刺 / 腫瘍内局注 / CD8陽性リンパ球 / Foxp3陽性細胞 / 個別化治療 |
Research Abstract |
第1相臨床試験での成果を踏まえ、先行した臨床試験で用いたOK432と比較しCTL誘導能が増強し、かつγδ-T細胞比率についても増加するゾレドロン酸を添加した未熟樹状細胞を用いることで、より有効な治療が期待できるものと考え、切除不能局所進行膵癌に対する本治療法の有効性及び安全性を評価するための第2相試験であった。第2相試験では主に本治療方法の奏功率を評価することに主眼を置いた。治療中に個別化治療を行う上での情報を得ることができれば、無駄な治療を継続することなく治療効果を有すると考えられる患者に対し本治療法を選択し、継続実施することができる。結果としては、良好な治療効果を示したものでは治療中に超音波内視鏡下で採取された腫瘍および周囲リンパ節からはCD8陽性リンパ球などの増加が確認された。一方、治療効果不十分症例では制御性T細胞(regulatory T cell)の存在を示すFoxp3陽性細胞が増加するなどの所見を示した。また、末梢血の分析においては、long SDが得られた症例とPR症例で、CD3+、CD3+CD4+、CD3+CD8+T細胞が増加したが、統計学的な有意差は認めなかった。ELISA解析を行ったが、long SD症例では末梢血T細胞表面にINF-γの増加を確認しえた。採取組織における免疫染色の結果および末梢血の分析から得られた結果に関しては、今後、さらに症例数を増やすことでより有益で信頼性の高いデータとなり得ると考えている。上記指標は治療開始後に組織や抹消血液を採取し判定する内容であるが、治療開始前に個別化治療に供することが可能な指標の検討を行っている。
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Research Products
(7 results)