2008 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤溶出生担体を用いた内視鏡的粘膜切除術術後食道瘢痕狭搾の予防
Project/Area Number |
20590811
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
丹羽 康正 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (20283442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 秀実 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10215501)
成田 裕司 名古屋大学, 医学部, 寄附講座講師 (60378221)
加藤 竜司 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50377884)
大宮 直木 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (00335035)
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Keywords | 食道 / 内視鏡的粘膜切除術 / 術後狭窄 / 徐放化薬剤溶出担体 |
Research Abstract |
本研究では5-FUの細胞増殖抑制効果を期待して、リポソームとコラーゲンを用いた徐放化DDS(drug delivery system)を構築し、内視鏡的食道粘膜切除術術後狭搾を予防する治療法の開発を目的とした。 1.新規薬剤溶出担体による薬剤の徐放化法の確立および薬理効果の検討のための実験 [細胞増殖抑制効果検討]既に我々が単離・培養を確立したラット食道の間葉系細胞(筋線維芽細胞等)に対しての薬剤(5-FU)の有効薬剤投与濃度を検討し適正な濃度を確定させた。 [リポソーム開発]脂質の最適化と徐放速度をFITC等の内包系を用いて測定し、製剤化条件を検討した。 (工学系研究科生物機能工学との連携) [徐放化]in vitroリリーステスト:薬剤・空リポソーム・コラーゲン被覆剤それぞれの単体、空コラーゲン被覆リポソーム、コラーゲン被覆薬剤内包リポソームを用いた其々の緩衝液中への経時的な溶出状態を測定し比較検討することで薬剤の有効な徐放化を行うための各単体の設定を行った。 2.大動物の内視鏡的食道粘膜切除術後食道狭窄モデルによる効果判定実験 ビーグル犬を用いて食道に全周性に内視鏡的粘膜切除術を行って粘膜切除後食道狭搾のモデルを作成し、コントロールとした。また色素を実際に内視鏡的に食道筋層に注入し全周性に薬剤を注入するための一回注入量と注入回数を最適化した上で、術後に上記にて作成した薬剤溶出担体を注入し食道造影、内視鏡所見の経時的変化を観察し病理所見を評価した。また血液検査を行い薬剤による副作用の有無等についても検討した。 現在のところ狭窄の予防効果がみられるという結果を得ることができ、本治療法が内視鏡的食道粘膜切除術術後狭搾を予防する有効な手法である期待が持てると考える。しかし安定した効果を得るのが困難であるため、引き続き各要素の改良が必要と考える。
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Research Products
(2 results)