2008 Fiscal Year Annual Research Report
経胸壁心臓超音波法において内膜自動トレース法を用いた新しい左心耳機能解析法の確立
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20590813
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
廣野 摂 Yamagata University, 医学部, 非常勤講師 (10332537)
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Keywords | 経胸壁心臓超音波法 / 左心耳 / 心原性脳塞栓 / 凝固・線溶系 |
Research Abstract |
本研究では、急性期脳梗塞における左心耳機能を経胸壁心臓超音波法を用いて詳細に評価し、日常臨床レベルで解析可能な、心原性脳塞栓の診断と再発予測指標を確立することを目的として本研究は計画された。具体的には、経胸壁心臓超音波法を施行する際に、新しい心内膜トレースキットと組織ドプラ法を用いて左心耳尖端の壁運動速度を描出し、経食道心臓超音波法との対比を介して、簡易で有用な左心耳機能低下指標を確立することを目的とした。次に、確立された左心耳機能指標の低下群における予後を前向きに調査し、脳梗塞再発やその他の血管イベントとの関連性を調査することを第二の目的とした。本法の確立は、ERにおける心原性脳塞栓の診断、及び再発予防のための経過観察の面からも臨床的に極めて重要な課題と考えられた。 平成20年度、当施設において脳梗塞の塞栓源検索を目的として経胸壁心臓超音波法が施行された連続50例の左心耳尖端壁速度測定法の妥当性を、引き続き施行された経食道心臓超音波法との対比を介して検討した。結果、42例(81%)において、経胸壁心臓超音波法を用いた左心耳尖端壁速度の測定が可能であり、経食道心臓超音波法で得られた測定値との間に極めて良好な相関関係をもつことが始めて明らかになった(R=0.893, Y=0.979X-0.558)。また、未だ少数例での検討ではあるものの、非弁膜症性心房細動の症例における左心耳壁速度9.3cm/s未満は、血管イベントの独立した予測因子となりうる可能性が示唆された。以上の結果を学会、研究会レベルで発表した。
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Research Products
(2 results)