2008 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮前駆細胞選択的捕捉VEGF固定化ステントの開発に関する研究
Project/Area Number |
20590819
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山岸 正和 Kanazawa University, 医学系, 教授 (70393238)
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Keywords | 血管内皮前駆細胞 / ステント開発 / 血管内皮成長因子 |
Research Abstract |
血管内皮前駆細胞のみを選択的に捕捉し、経時的内皮細胞への分化、増殖、単層形成化による抗再狭窄効果を示す血管治療用ステントの形成、「自己化」ステントの臨床応用を目的に研究を開始した。 まず、基礎実験として、ヒト末梢血単核球から得られる血管内皮前駆細胞において陽性となるCD34陽性細胞、VEGF2受容体抗体(KDR)陽性細胞、CD133陽性細胞を分離し、mRNAの発現解析とともにフローサイトメトリーを使用した量的解析を実施した。健常ヒト末梢血中には存在するKDR陽性細胞が少数であることが証明された。また、ヒト末梢血単核球細胞の培養を行い、捕捉されうるであろう細胞の経時的なmRNAの発現を確認した。培養初期よりCD34陽性細胞の発現をみるものの、KDRの発現はなく、20日目以降KDRが発現しうる可能性が示唆された。また、長期培養の過程においてより多くのコロニーを形成する血管前駆細胞の出現を観察し、その質的解析を実施したところ、KDRの発現をみた。以上、血管壁前駆細胞の同定評価に必要な実験系の確立を行い、所定の成果を得た。 同時に動物モデルにおけるステント植え込みの至適条件を検索するために、ラット大動脈に頚動脈・大腿動脈アプローチにより小径通常型ステントの植え込みを実施。植え込み部位・植え込み時の留意点などを把握した。 ステントコーテング剤に係る人工細胞外マトリックスの最適化のため、ヘパリン徐放量、VEGF固定量、固定化法の改良を試みた。内膜面の非血栓性およびコンプライアンスによる内膜肥厚抑止の程度に注目し、内腔層設計の改良を実施し、重要性を再確認した。
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Research Products
(1 results)