2009 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン抵抗性からみた拡張障害心不全の新たな治療法の開発
Project/Area Number |
20590826
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
荻野 和秀 Tottori University, 医学部附属病院, 准教授 (70294311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久留 一郎 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60211504)
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Keywords | 糖代謝異常 / 拡張不全 / インスリン抗性 |
Research Abstract |
1. インスリン抵抗性を有する心不全患者に対するインスリン抵抗性改善薬および尿酸排泄促進薬の効果の検討 心不全患者を対象とし、全例に心エコーを行い、左室収縮・拡張機能を評価した。同時に75gブドウ糖負荷試験を行い、血糖値の反応が糖尿病型で高インスリン血症を呈し、薬物療法を受けていない症例を本試験にエントリーした。ピオグリタゾンまたはベンズブロマロン治療を行い、その治療前後で以下の検討を行った。 (1) 糖代謝・細胞外マトリックス指標・炎症性サイトカインの検討 75gブドウ糖負荷試験の120分時のグルコース、インスリンは有意に改善し、AGEは改善傾向を示した。 心筋線維化の指標としてMMP1、MMP2、MM3、MM9、TIMP1、TIMP2に関しては、MMP2、MMP9、TIMP1、TIMP2の改善傾向を認めた。さらにインスリン抵抗性改善度、血清尿酸値と炎症性サイトカインの間に有意な正相関を認めた。 (2) 心機能の検討 心エコーでは、左室収縮・拡張機能ともに若干の改善を認めるも有意差は認めなかった。ピオグリタゾンに関しては、組織ドプラー : 左室拡張能の評価(a'、e'の測定)での拡張能は改善傾向を認めた。 2. AMPDKを用いた拡張障害心不全モデルに対する運動療法・インスリン抵抗性改善薬の効果の検討 (1) インスリン抵抗性は、インスリン抵抗性改善薬で改善した。 (2) 心エコーで評価した心機能は、薬物治療群(ピオグリタゾン投与)で、改善傾向であった。
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