2008 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病菌を介した虚血性心疾患の新しい発症メカニズムの解明と原因歯周病菌の同定
Project/Area Number |
20590829
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
副島 弘文 Kumamoto University, 保健センター, 准教授 (80332881)
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Keywords | 歯周病スコア / 歯周病抗体価 / 急性冠症候群 / 冠動脈疾患 |
Research Abstract |
循環器内科に入院し冠動脈造影を受けた、あるいは受ける予定の患者さんにインフォームドコンセントを行い同意の得られた患者さんに歯科口腔外科受診していただき歯周ポケットの深さ、歯周部からの出血の有無、脱落歯の数、歯槽骨吸収の程度といった歯周病の検査を行った。喫煙量と合わせてこれらのデータから歯周病スコアを算出した結果、歯周病の進行している患者さんでは冠動脈疾患も進んでいることがわかった。さらに冠動脈狭窄群と非冠動脈狭窄群を比較した多変量解析の結果、冠動脈病変にはスタチンの投与、耐糖能異常、歯周病スコアが独立して関係していた。また、少数の検討ではあるが、急性冠症候群を呈した患者の歯周病スコアは冠動脈狭窄を有する安定狭心症の患者に比べて有意に高かった。このように歯周病も重要な冠危険因子の一つであることを明らかにした。また、歯周病菌の中でもPorphyromonas gingivalisとPrevotella intermediaに注目し、血中抗体価を測定した。歯周病スコアはPorphyromonas gingivalisおよびPrevotella intermediaに対する血中抗体価と有意な相関をしたが、Porphyromonas gingivalisとの関連が特に強かった。冠動脈狭窄群と非冠動脈狭窄群で検討した結果これらの抗体価に差はなかった。また、Porphyromonas gingivalisに対する抗体価では有意な差はなかったが、急性冠症候群の患者さんでは安定狭心症の患者さんに比べてPrevotella intermediaに対する抗体価が有意に高くなっていた。このように歯周病菌に対する抗体価は虚血性心疾患の病態を反映する可能性があり今後も測定し検討を行っていく。
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Research Products
(4 results)