2008 Fiscal Year Annual Research Report
ホルター心電図の自動解析による閉塞型睡眠時無呼吸の検出と予後予測
Project/Area Number |
20590832
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
早野 順一郎 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 教授 (90173054)
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Keywords | 睡眠呼吸障害 / 睡眠時無呼吸症候群 / 心拍変動 / 心拍数 / 心筋梗塞 / 予後予測 / コンピュータ / 生体信号処理 |
Research Abstract |
閉塞型睡眠時無呼吸(OSAS)にともなう特徴的な心拍数の変動であるcyclic variation of heart rate(CV-HR)を,ホルター心電図から自動検出する方法を開発し,OSASのスクリーニング法としての有用性(感度,特異度),循環器疾患の予後予測指標としてのCV-HRの有用性を検討した。OSASの診断を目的とする睡眠ポリグラフ検査78例で,今回開発した方法で心電図よりCV-HRを検出し,OSASの指標である3%以上のSpO2低下(3%ODI)との関係を調べたところ,CV-HR>10回/時を基準とすると,3%ODI>15回/時のOSASを感度82%,特異度81%で,またCV-HR>15回/時を基準とすると,3%ODI>20回/時のOSASを感度79%,特異度100%で検出可能であった。また,CV-HRは個々の無呼吸発作と1対1で対応することから,無呼吸発作の発生時刻の分布の検出も可能であった。一方,米国のENRICHD研究の心筋梗塞後ホルター心電図639例で夜間のCV-HRを検出し,その後30か月間の心臓死との関連を見たところ,CV-HRは左室駆出率<30%の群で重要な心臓死のリスクであり,その予測力は心拍変動指標とは独立であった。ホルター心電図検査はわが国だけでも年間200〜300万件が実施されていることから,本研究で開発されたCV-HRの検出方法をホルター心電図解析に応用することで,大規模かつ効率的なOSASのスクリーニングシステムの構築とともに,OSASを指標に加えた予防医療などが実現するものと期待される。
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Research Products
(2 results)