2009 Fiscal Year Annual Research Report
ホルター心電図の自動解析による閉塞型睡眠時無呼吸の検出と予後予測
Project/Area Number |
20590832
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
早野 順一郎 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 教授 (90173054)
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Keywords | 睡眠呼吸障害 / 睡眠時無呼吸症候群 / 心拍変動 / 心拍数 / 心筋梗塞 / 予後予測 / コンピュータ / 生体信号処理 |
Research Abstract |
【目的】閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は循環器疾患の危険因子として認識されているが、患者の殆どは診断されないまま放置されている。本研究では、心電図を本症のスクリーニングに利用するために、心電図上のOSASの指標とされるcyclic variation of heart rate (CVHR)を自動検出する方法の開発を行う。 【方法】H20年度までの研究で、心電図よりCVHRを自動検出するアルゴリズムとして、適応閾値自己相関波検出法(ACAT)を開発した。このアルゴリズムの有用性を検討するために、睡眠呼吸障害の検査目的で睡眠ポリグラフ検査(PSG)を受けた887例を対象に、PSG記録の心電図からCVHRを検出し、OSASの検出が可能がどうかを検討した。 【結果】887例中、apnea-hypopnea index (AHI)が15以上を示した例は283例(32%)であった。ACATアルゴリズムは、適応閾値機能によって、dipの深さが22~257ms、 dipの幅が15~101秒に及ぶ、広範囲のCVHRを検出した。検出された1時間あたりのCVHR (CVHR index)は、AHIと高い相関を示し(r=0.82)、 CVHR index≧15を基準とするとき、AHI≧15の症例の検出感度は81%、特異度は87%であった。また、データを、総数120,555個の長さ3分のセグメントに区分した時、個々のセグメント内の無呼吸・低呼吸の存在に関して、ACATアルゴリズムは、108,952個(90%)のセグメントを正しく判別することができた。 【考察】ACATアルゴリズムによるCVHRの検出は、OSASスクリーニング方法として有用である。今後、臨床研究として、本アルゴリズムをホルター心電図解析器に実装し、ホルター心電図検査例を対象にOSASの検出力を検討する。
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