2009 Fiscal Year Annual Research Report
慢性心不全におけるthrombospondinのβ遮断薬反応性への関与と機序
Project/Area Number |
20590834
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
竹本 恭彦 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (20364002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葭山 稔 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30240956)
東 純一 兵庫医療大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (30144463)
藤尾 慈 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (20359839)
前田 真貴子 兵庫医療大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (70461168)
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Keywords | 慢性心不全 / アドレナリンβ受容体遮断薬 / 薬剤反応性 / 血管内皮機能 / 左室収縮能 / 遺伝子多型 / 拡張型心筋症 / トロンボスポンジン |
Research Abstract |
慢性心不全の進行を抑制し、左室収縮機能改善効果を有する薬剤としてβ遮断薬の有用性が明らかにされているが、β遮断薬に対する心機能改善群(responder)と非改善群(non-responder)の存在が問題である。我々はこれまでにthrombospondin-1(TSP-1)がβ遮断薬に対する反応性に関与する可能性を見出した。本研究では、β遮断薬に対する反応性におけるTSP-1の役割を明らかにすることを目的とした。(1)正常健常者でのTSP-1の検討:若年正常健常者例(n=27)においてTSP-1血中濃度を検討した結果、1.14±0.76μg/mlの結果をえた。(2)拡張型心筋症による慢性心不全例群(n=7)と同群にage-matchさせた非慢性心不全例群(n=7)でのTSP-1の検討:age-matchさせた非慢性心不全例群においてTSP-1血中濃度を検討した結果、1.41±0.76μg/mlであった。β遮断薬導入前とβ遮断薬導入後6ヵ月後に拡張型心筋症による慢性心不全例群においてTSP-1血中濃度を検討しβ遮断薬導入前は2.29±0.54μg/ml、β遮断薬導入後6ヵ月後は1.44±1.01μg/mlであった。(3)TSP1遺伝子変異に関する分子生物学的検討:TSP1A1746G(Thr523Ala)遺伝子変異によるmRNA転写量、mRNA安定性、mRNAの二次構造への影響を検討した。その結果、TSP1A1746G(Thr523Ala)遺伝子変異により、mRNA転写量、mRNA安定性に変化は生じないが、mRNA二次構造に変化が生じた。分子生物学的検討の結果からは、TSP-1A1746G(Thr523Ala)遺伝子変異はTSP1血中濃度に影響を与えることが予測され、β遮断薬に対する反応性への関与が推測されるが、さらに今後例数を重ね、検討を進める。
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Research Products
(32 results)