2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトにおける虚血プレコンディショニングの心筋保護効果の機序に関する検討
Project/Area Number |
20590842
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
高野 仁司 Nippon Medical School, 医学部, 助教 (90277533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安武 正弘 日本医科大学, 医学部, 准教授 (70281433)
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Keywords | 虚血再灌流傷害 / 心筋保護 / 活性酸素種 |
Research Abstract |
経皮的冠動脈インターベンション(PCI)時の虚血耐性の発症形式の違いを検討し、その機序の解明を目的として、虚血性心疾患患者を対象に左前下行枝に対する待機的PCI時の心筋傷害の程度と血中マーカーの変動を観察した。虚血スコア変化、冠動脈内心電図変化、冠静脈洞血乳酸値の変化よりプレコンディショニングによる心筋保護作用が発揮された症例とされなかった症例に分類し、バルーン拡張前後での冠静脈洞血中の酸化マーカー、サイトカイン変化を解析しその差異を観察した。その結果、二回目のバルーン拡張中あるいは拡張後の冠動脈内心電図変化および乳酸産生が一回目に比し軽度であった症例をプレコンディショニング陽性群では一回目の虚血後に8-OHdGの有意な上昇がみられたのに対し、二回目も一回目と同等であったプレコンディショニング陰性群では8-OHdGの上昇は小さかった。そこで、PCIの一回目の虚血時の8-OHdGの上昇幅が、患者個有の遺伝情報と関連するかをSNP解析を用いて検討を行った。まず,候補SNPの選択のためSNPの網羅的解析を行い、p値が0.05未満となるSNPを確認、この結果、プレコンディショニング出現減弱が一つのSNPでは説明できないことを発見した。その上で、現在は候補と成り得る蛋白のコーディングに関与する複数のSNPに一定の法則がないかの検討に移った。過去の動物実験でプレコンディショニング出現に関与していると云われているProtein Knase Cの活性化に着目し、転写因子に関連するSNPに関し検討中である。
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Research Products
(1 results)