Research Abstract |
当施設循環器内科で心臓カテーテル検査を受ける安定冠動脈疾患症例,冠動脈カテーテル治療症例を対象に,冠動脈内視鏡,光干渉断層法(OCT: optical coherence tomography)血管内超音波(IVUS; intravascular ultrasound)によりプラーク病変,ステント留置術後の新生内膜再内皮化などにつき分析し,プラーク性状,線維性被膜の評価が重要であることを明らかにした(Takano M, et al. Yamamto M, et al. ほか)。特にDES: drug eluting stentやBMS: bare metal stent留置後の先端画像変化を示し,両者で新生内膜再内皮化の大きな相違があること,新生プラーク内に新生微小血管網が形成されていることを初めて明らかにした。不安定プラークマーカーとしてsLOX-1(soluble lectin like oxidized LDL receptor-1)に注目し,各種心血管バイオマーカーと対比分析し,sLOX-1が急性心筋梗塞の早期診断マーカーとして有用であるのみならず,むしろ発症直前病態を反映している可能性についても報告した(Kobayashi N, et al. Seino Y, et al)。さらに冠動脈カテーテル治療にに伴う周術的微小心筋傷害(periprocedural minor myocardial injury)に注目し,術前の標的プラークの性状と各種心血管バイオマーカー(高感度TnT,NTd-proBNP,sLOX-1,MMP-9など)の流出動態を対比分析し,潜在性のhigh-riskプラークではカテーテル治療に伴いsLOX-1はより早く流出し,高感度TnTのピーク値が有意に高値であることを発表した。かかるhigh-risk プラークはOCTではlipid arch angleが大きく線維性被膜が薄いという特徴も明らかにしている(Yamamoto M, et al. Seino Y, et al. ほか).
|