2008 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化進展退縮におけるCX3CL1/CX3CR1の役割
Project/Area Number |
20590850
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
田中 正哉 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 助教 (80352300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 信成 産業医科大学, 医学部, 助教 (90299610)
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Keywords | 冠動脈疾患 / 冠動脈ステント留置術 / サイトカイン / 再狭窄 / 動脈硬化 |
Research Abstract |
H20年10月からH21年2月までに当科で冠動脈ステント留置術(PCI)を施行した男性10名、女性2名を症例対象とした結果を報告する。全員の末梢血から、PCI前後においてCX3CL1、interleukin(IL)-6、interleukin(IL)-8、adiponectinを測定した。また術前にIB-IVUSを施行することにより、ステント留置部位のプラーク性状を確認した。結果、術前後においてIL-6は有意に上昇した(前:14.32pg/ml,後:64.24pg/ml P<0.001)が他のサイトカインは変化はなかった。個々の術前サイトカインと冠危険因子の相関をみると、CX3CL1と総コレステロール値、LDLコレステロール値、HbA1cは正相関を認め、喫煙者群に高い傾向が見られた。adiponectinとBMI値、中性脂肪値、総コレステロール値は逆相関を認め、喫煙者や高血圧群では低い傾向にあった。IL-6及びIL-8には脂質値との相関はなかったが、IL-6は喫煙者や高血圧群において高値であった。またIL-6の術後の上昇値とLDL値及びHbA1cは正相関した。IB-IVUSによるプラーク成分の解析はまだ7症例しかできていないが、ステント留置部位に脂質成分を多く含んだ症例は、術後のslow flowが出現する傾向にあった。既知のIL-6やadiponectinの冠危険因子との相関は我々のデータでも同様に示唆されたが、CX3CL1と冠危険因子との相関は新しい知見であると考える。プラークの性状との関連性が分かれば、術後6ヶ月とのデータと併せて、再狭窄や動脈硬化の惹起因子を更に明らかにできると考察する。
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