2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590851
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
安部 治彦 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 講師 (70231967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 律子 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (20449945)
竹内 正明 産業医科大学, 医学部, 講師 (30236434)
近藤 承一 産業医科大学, 医学部, 助教 (70517333)
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Keywords | 神経反射性失神 / ストレス / 起立調節訓練 / 就労 / バス運転手 / 生活指導 / 教育指導 |
Research Abstract |
神経調節性失神の非薬物治療に関する研究成果 神経調節性失神患者40名に対して、原因となる誘因やストレス除去等の生活指導、さらに失神発作直前に自覚する失神前駆症状(眼前暗黒感、頭重感、等)出現時のPhysical counterpressure maneuverによる失神回避法を教育した20名と、これらの生活指導と教育を行った上で更に自宅での起立調節訓練(1回30分を1日2回)を施行した20名をフォローし、失神再発に対する効果を検討。起立調節訓練群には、失神再発はなかったが、継続性が悪かった。一方、生活指導と教育のみの患者では3人に失神再発例があり、この3名は引き続き起立調節訓練により、その後の再発は認めなかった。以上より神経調節性失神治療に、生活指導と患者教育は極めて有効で本治療のみでも大部分の患者は失神予防が可能である。また、生活指導と患者教育のみならず起立調節訓練まで行えば失神発作の予防は完全であるが、生活指導と教育のみでは予防できない患者に対して起立調節訓練を行えば非常に有効である。 長距離バス運転手の運転中止や事故発生の原因精査 平成16-18年の3年間に発生した長距離バス運転手の運転中止や事故発生の原因を分析した。84件の事例報告があり、47%は神経反射性失神が原因であった(脳血管疾患11人、心臓突然死2人、心筋梗塞3人、睡眠時無呼吸症候群2人、等)。内37名が運転中の意識消失発作を来し、その70%は神経反射性失神であった。事例の発生時間帯は午前中と夕方に多い2峰性パターンを示し、発生時期は4月と10月に多かった。また、事例発生は、休みの翌日が最多であり、これらの傾向は自律神経系の関与が大きい特徴があった。長距離バス運転手の事故やトラブルの多くが神経反射性失神であり、規制緩和によるバス事業の競争激化とバス運転手の加重労働により、過剰なストレスで発生している可能性が高いと考えられた。
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Research Products
(38 results)