2008 Fiscal Year Annual Research Report
ギャップ接合リモデリングに伴う致死性不整脈の発生機序解明と治療戦略の確立
Project/Area Number |
20590860
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
本荘 晴朗 Nagoya University, 環境医学研究所, 准教授 (70262912)
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Keywords | 不整脈 / ギャップ接合 / リエントリー / 光学マッピング / 興奮伝播 |
Research Abstract |
心室細動・頻拍の発生・持続機序である心室スパイラル・リエントリーのダイナミクスが、心筋ギャップ接合の機能阻害あるいは促進によりどのような影響を受けるかについて、ウサギ摘出心臓二次元心室筋の活動電位高分解能光学マッピングを用いて検討した。 1. 心筋ギャップ接合機能阻害の作用: 心筋細胞間結合コンダクタンス(Gj)を約半分に低下させるcarbenoxolone (CBX) 30μM作用下で誘発した心室スパイラル・リエントリーでは、機能的ブッロクラインが短縮し、安定した旋回が長時間持続した。位相マップを用いた解析結果から、ギャップ接合機能阻害によるスパイラル・リエントリー安定化には、旋回中心のさまよい運動が小さくなること、興奮波の湾曲に伴う局所電流source/sink mismatchの効果が弱められることが関与していることが判明した。 2. 心筋ギャップ接合機能促進の作用: 抗不整脈薬bepridilは心筋K, Ca, Naチャネルに対する抑制作用に加えて、細胞間Gjを増加させる作用を有することがspace constant計測から明らかになった。Bepridil (1 μM)作用下の心室スパイラル・リエントリーでは、旋回中心付近における減衰伝導により機能的ブロックラインの方向や位置が複雑に変化し、リエントリーが早期に停止した。Bepridilは心筋細胞間のGjを増加させることのよって旋回中心付近の興奮波湾曲に伴うsource/sink mismatchの効果を強め、それが減衰伝導をもたらす可能性が推測される。
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