2008 Fiscal Year Annual Research Report
薬物溶出性ステント留置血管の機能異常発現に関する分子機序の解明
Project/Area Number |
20590875
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安田 聡 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00431578)
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Keywords | 冠動脈ステント / Rho-kinase / 血管平滑筋 / 炎症 / 血栓 |
Research Abstract |
【研究の目的】薬剤溶出性ステント(DES)留置血管でのRho-kinase(低分子量GTP結合蛋白質Rhoの標的蛋白質)の役割について明らかにすること 【方法・結果】1) In vitro研究 : ヒト冠動脈平滑筋細胞において、パクリタキセルを臨床的組織濃度である10^<-9>〜10^<-6>mol/Lとともに24時間培養するとROCK2とROCK1のmRNA発現が濃度依存性に亢進した(n=9)。また、同細胞を10^<-8>mol/Lのパクリタキセルとともに24時間培養するとRho-kinase活性(何による評価?)が亢進した(n=6)。2) In vivo研究 : 家畜ブタにパクリタキセル溶出性ステント(PES)と同様のプラットフォームを持つ金属ステント(BMS)を留置し4週後に血管反応性の評価を行った。セロトニン100μg/kg冠動脈内投与により、BMSと比較してPES留置周囲部分では血管過収縮がより顕著であった(PES-53±3 vs. BMS-32±4%, n=6, P<0.01)。セロトニンによる血管過収縮は選択的Rho-kinase阻害薬hydroxyfasudil(100μg/kg/3min)の事前投与により抑制された。一方ブラジキニンによる内皮依存性弛緩反応は両群で差異は認められなかった。3) Ex vivo研究 : ステント留置部の近位端・遠位端を単離・内膜除去後にセロトニン負荷(1×10^<-9>〜3×10^<-6>mol/L)に」より生じる等尺性張力を測定したところ、BMS留置血管に比しPES留置血管でより強い収縮が認められた。4) 組織学的検討 : PES留置血管ではステント周囲の微小血栓の形成、ならびに炎症性細胞の浸潤がBMSに比しより高率に認められた。 【総括】in vitro, in vivo, ex vivoと多面的な解析を行った本研究により、DESによる冠動脈過収縮反応の病態にRho-kinase経路が重要な役割を果たしていることが明らかになった、
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Research Products
(1 results)