2010 Fiscal Year Annual Research Report
薬物溶出性ステント留置血管の機能異常発現に関する分子機序の解明
Project/Area Number |
20590875
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安田 聡 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00431578)
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Keywords | 冠動脈スラント / Rho-kinase / 血管平滑筋 / 炎症 / 血栓 / カルシウム拮抗薬 |
Research Abstract |
【研究の目的】薬剤溶出性ステント(DES)留置血管でのRho-kinase(低分子量GTP結合蛋白質Rhoの標的蛋白質)の役割について明らかにすること 【方法・結果】1)In vivo研究:家畜ブタにパクリタキセル溶出性ステント(PES)と同様のプラットフォームを持つ金属ステント(BMS)を留置し4週後に血管反応性の評価を行った。セロトニン100μg/kg冠動脈内投与により、BMSと比較してPES留置周囲部分では血管過収縮がより顕著であった。セロトニンによる血管過収縮は選択的Rho-kinase阻害薬hydroxyfasudil(100μg/kg/3min)の事前投与により抑制された。2)臨床研究:冠動脈疾患患者(ヒト)においても、アセチルコリン冠動脈内投与に対する血管反応性をDES留置群とBMS留置群で比較検討した。動物実験と同様、DES群で血管過収縮反応が認められ、Rhoキナーゼ選択的阻害薬hydroxyfasudilによりその反応は抑制された。4)In vivo薬物介入研究:ブタステントモデルにおいて、臨床的に汎用されるカルシウム拮抗薬・ニフェジピン(4mg/kg体重/日)をステント植え込み3日前より、血管反応性試験の1日前まで~4週間投与を行うと、Rhoキナーゼを抑制しDES留置血管に対して保護的に作用することが明らかになった【総括】DESによる冠動脈過収縮反応の病態にRho-kinase経路が重要な役割を果たしていることが明らかになった。カルシウム拮抗薬がRho-キナーゼ阻害効果を有するDES留置血管保護薬として有用である可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)