2009 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性疾患治療に効果的な血管内皮前駆細胞の機能解析
Project/Area Number |
20590876
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大根田 修 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (30311872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 年晴 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教 (50400677)
長野 真澄 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 研究員 (30436282)
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Keywords | 再生医学 / 創傷治癒 / 虚血 / 移植・再生医療 |
Research Abstract |
【目的】 本申請では,ヒト臍帯血由来EPCを単離し,増殖能の解析および細胞表面マーカー・遺伝子発現解析等を中心とした分化能の解析を通じて,EPCの性質を明らかにし,新たなEPCの単離同定とその生体内機能解析を行う. 【研究計画および成果】 1.siRNA導入後のEPCを用いた虚血部位における創傷治癒効果の解析 先行研究で,HIF-2alphaに対するsiRNAを導入したEPGを有茎皮弁移植モデルマウスに投与し解析を行ったところ,HIF-1alphaに対するsiRNAを導入したEPC投与群と比較して,創傷治癒効果が有意に遅延していることが明らかとなった. 本研究では,HIF-2alphaの標的遺伝子であるCXCR4およびVEGFに対するsiRNAを導入したEPCを用いて,マウス有茎皮弁モデルにおける創傷治癒効果を指標に,どの因子が重要な役割をしているのか明らかにした. その結果,VEGF mRNAの発現を低下させたEPCを投与した群では,コントロール群と比較して20%程度の抑制効果が見られた.一方,CXCR4 mRNAの発現を低下させたEPCを投与した群では,コントロール群と比較して80%程度の抑制効果が見られた. 以上のことから,HIF-2alphaの標的遺伝子であるCXCR4のEPCにおける発現が,マウス有茎皮弁モデルにおける創傷治癒に対して重要な因子であることが明らかとなった. 2.マウス下肢虚血発症モデル(大腿動脈閉塞)の作成とEPCの機能解析 大腿動脈を結紮し,マウス下肢虚血モデルを作成した.大腿動脈を結紮し,下肢かかと部位における血流を測定し,健常側の血流と比較した.手術後1日目より手術側の血流が大幅に低下し,3日目以降から徐々に増加を示し,14日目以降からは一定レベルに達することが分かった.今後,このモデルマウスを用いて,EPCのin vivo機能解析を行う.
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Research Products
(9 results)