Research Abstract |
【目的】 本申請では,ヒト臍帯血由来EPCを単離し,増殖能の解析および細胞表面マーカー・遺伝子発現解析等を中心とした分化能の解析を通じて,EPCの性質を明らかにし,新たなEPCの単離同定とその生体内機能解析を行う. 【研究計画および成果】 H21年度までに,siRNA導入後のEPCを用いた虚血部位における創傷治癒効果の解析により,以下のことが分かった. HIF-2alphaの発現を低下させたEPC投与群において,創傷治癒効果が有意に遅延していることが明らかとなった.加えて,HIF-2alphaの発現を低下させたEPCにおいて,HIF-2alphaの標的遺伝子であるCXCR4およびVEGFの発現が低下していることが分かった. H22年度は,CXCR4あるいはVEGFの発現を低下させたEPCを作製し,マウス有茎皮弁モデルにおける創傷治癒に対してどのような働きを有するのかについて詳細に解析を行った. vEGFsiRNAあるいはCXCR4 siRNAを導入した細胞群は,ともに創傷治癒が正常EPC投与群と比較して,有意に低下していることが分かった. また,VEGF siRNAあるいはCXCR4 siRNAを導入した細胞群に対して,マウス有茎皮弁移植モデルにより,遊走能について解析を行った,CXCR4 siRNA EPCでは,VEGF siRNA EPCと比較して,創傷部位における細胞の出現数が大きく減少していることが明らかとなった. 以上の結果より,創傷部位に働くEPCは,異なる2つの作用(VEGFとCXCR4が関係する)を介して,創傷治癒に作用していることが明らかとなった
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