2010 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクス解析手法を用いたアルドステロンの血管細胞への直接作用の解明
Project/Area Number |
20590879
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
吉本 貴宣 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (80297457)
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Keywords | 血管病態学 / アルドステロン / ミネラロコルチコイド受容体 |
Research Abstract |
本研究の目的は血管内皮細胞(EC)にウイルスベクターを用いてMRを過剰発現させた細胞を用い、血管細胞においてMR活性化を介してゲノミック作用で発現誘導される遺伝子を網羅的手法(DNAマイクロアレイ)で解析し、アルドステロンによる心血管障害の分子機序を解明することにある。昨年度に作成したMR遺伝子導入EAhy926細胞株のDNAマイクロアレイ解析を行い、Aldo刺激により有意(P<0.05)に変動した既知の遺伝子群を、real-time RT-PCRにてアルドステロン発現誘導の再現性を確認し、特に基礎発現量が高く、アルド刺激で1.5倍以上の発現増加を示し、MR拮抗薬で発現誘導が阻害される、12の遺伝子(FKBP5, DDIT4, CCL23, NEDD9, EPS8, ESM-1, PRKA1, AKAP12, ERRFI1, ANGPTL4, S1PR3, IGFBP3, SNF1LK)をvalidated geneとして選定、このうちイムノブロットに適した抗体が入手できた7因子(FKBP5, ESM1, ERRFI1, ANGPTL4, NEDD9, IGFBP3, SNF1LK)につきアルドステロンによる発現誘導を蛋白レベルでも確認した。現在アルドステロン負荷高血圧モデルラットの血管壁での各因子の発現動態を解析し、これらの候補遺伝子のアルドステロン過剰の病態下での変動を検討している。また本研究に関連して、クッシング症候群での血管内皮機能異常と高コルチゾール血症の相関性、可逆性。PPAR作用を有するAng II受容体拮抗薬テルミサルタンの血管内皮機能改善効果について報告した。
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