2010 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子MafB遺伝子改変マウス作成による喫煙肺気腫の病態研究
Project/Area Number |
20590892
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
柴田 陽光 山形大学, 医学部, 講師 (60333978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 哲 山形大学, 医学部, 講師 (40359568)
阿部 修一 山形大学, 医学部, 助教 (40400543)
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Keywords | 遺伝子改変マウス / 転写因子 / MafB / 喫煙 / 肺気腫 |
Research Abstract |
肺胞マクロファージ(AM)は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の病態に重要な役割を果たしている。我々は以前、喫煙暴露マウスのAMで転写因子MafBが発現亢進し、アポトーシスを抑制していることを報告した。しかしMafB欠損マウスは致死的であり、これまで遺伝子改変マウスを用いてAMにおけるMafBの役割を検討した報告はなかった。そこで本研究はMafBの機能をマウス生体内で検討することを目的として開始された。昨年度までに、マクロファージ特異的にDN MafBを発現するマウス(MSR-DN MafB TGマウス)を作製し、DN MafBの発現は、RT-PCR、免疫染色で確認した。レポーターアッセイにより、マクロファージでのDN MafBがMafB活性を高度に抑制していることを確認した。気管支肺胞洗浄液細胞およびマクロファージ数はDN MafB-TGマウスで有意に減少していた。TUNEL染色ではTGマウスAMでアポトーシスの亢進が観察された。透過電子顕微鏡では核内のヘテロクロマチン量がTGマウスで有意に増加していた。走査電子顕微鏡では偽足形態に膜状変化が観察された。また、DM MafB-TGマウスのチオグリコレート誘発腹腔マクロファージでは、F4/80、CD11bの発現がともに減弱していたが、無刺激状態のAMではこれらの発現に変化を認めなかった。AMの貪食能はDN MafB-TGマウスで有意に低下していた。以上より、MafBが肺胞マクロファージの数、細胞形態、機能に影響を及ぼしていることが理解された。
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Research Products
(4 results)