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2009 Fiscal Year Annual Research Report

COPDの病態におけるサーファクタント蛋白Dの役割分析

Research Project

Project/Area Number 20590898
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

吉田 光宏  Osaka University, 医学系研究科, 助教 (90359844)

Keywordsサーファクタントプロテイン-D / COPD / アポトーシス / エラスターゼ
Research Abstract

COPDの病態におけるサーファクタントプロテイン-D(SP-D)の役割を解析する目的でモデルマウスとしてエラスターゼ気道投与COPDモデルマウスを正常マウス(WT)およびSP-Dヘテロ欠損マウス(SP-D+/-)を用いて作製し、組織学的検討を加えた。その結果、SP-D+/-ではCOPD様変化が増強した。
エラスターゼ気道投与COPDモデルマウスにおいて気管支肺胞洗浄液(BALF)を解析したところ、SP-D+/-ではWTに比較して炎症細胞数の増加、蛋白濃度の増加を認めたが、その差は軽微であった。
BALF中のSP-D濃度を経時的に測定すると、無刺激ではWTでSP-D+/-に比較して有意に高かった。エラスターゼ気道投与後、SP-D濃度はWT、SP-D+/-ともに一過性の上昇を認めたが、SP-D+/-のほうがWTよりも有意に高かった。しかし肺全体のSP-D蛋白量、SP-DmRNA量はSP-D+/-のほうがWTよりも有意に低かった。以上の結果より、SP-D+/-では肺損傷の程度がWTより強く、そのためII型上皮細胞よりBALF中へSP-Dが放出されたものと考えられた。
この推測を確認するため、TUNEL染色でアポトーシス細胞を検出したところ、SP-D+/-のほうがWTよりもアポトーシス細胞が多く存在することを確認した。また肺ホモジェネート中のカスパーゼ活性はSP-D+/-のほうがWTよりも有意に高かった。これらの結果はSP-D+/-でより強くアポトーシスが誘導されていることを示唆した。
以上の結果よりエラスターゼ気道投与によりSP-D+/-ではWTより強くアポトーシスが誘導されることでCOPD様変化が増強するものと推察された。このことはSP-Dが抗アポトーシス作用を有することを示唆しており、今までに報告のない新たな知見である。

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Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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