2008 Fiscal Year Annual Research Report
気道杯細胞過形成の誘導と維持に関わるシグナル伝達分子の探索
Project/Area Number |
20590907
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
玉置 淳 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 教授 (60147395)
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Keywords | 気道上皮 / 杯細胞 / ムチン / シグナル伝達 / 上皮成長因子受容体 / アポトーシス / ERKカスケード / 喘息 |
Research Abstract |
ヒト気管支上皮の細胞株(NCI-H292細胞)をRPMI1640培地にて10%血清の存在下で培養し,コンフルエンスに達した時点でヒトTGFα(10ng/ml)を添加しさらに24時間培養した系において,以下の研究成績が得られた. 1)ERK活性化 免疫細胞化学とWestern blotにてERK活性化を評価した結果, TGFαの刺激によりリン酸化(活性型) ERKの発現がみられた.また, Northern blotでは,同様の刺激でERK mRNAの発現が認められた.さらに, ERKの直接的な評価として,培養上清中のERK活性をphenyul ethylsulfonylfluorideの存在下で測定し,本酵素の活性化増加がみられた. 2)アダプター分子の会合 次に, NCI-H292細胞におけるEGFRのリン酸化からRas-ERKカスケードの活性化に至るシグナル伝達に関わる代表的な分子群を解明するため,アダプター分子のリン酸化およびそれらの会合(アセンブリー)について検討した.上記1)のようにTGFα刺激を行った後, NCI-H292細胞のEGFRとGrb2関連タンパクのイムノブロット解析を行った.その結果,あらかじめglutathione-S-transferase (GST)-Grb2融合蛋白質の存在下でTGFαで刺激すると,リン酸化EGFR (p-EGFR)およびShcの発現が誘導されたことより,これらアダプター分子の会合が惹起される可能性が示唆された.
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Research Products
(4 results)