2008 Fiscal Year Annual Research Report
AP1阻害感受性の差を利用した肺癌治療の新たな分子標的の同定
Project/Area Number |
20590909
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木下 一郎 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 講師 (40343008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 弘俊 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70222528)
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Keywords | 遺伝子 / 癌 / 肺癌 / 転写因子 / 癌遺伝子 / AP-1 / c-jun |
Research Abstract |
多くの増殖シグナルに関与する核内転写因子APIの主要成分であるcJunが肺癌において過剰発現している。研究代表者はc-jun dominamt negative negativeであるTAM67が、NCI-H520(H520)を除き、NCI-H1299(H1299)を含む複数の細胞株の増殖を抑制することを示してきた。H1299とH520のAP1阻害に対する感受性の差は、細胞増殖抑制に関わるAP-1の重要な下流遺伝子が、感受性細胞のH1299のみで制御されていることを示唆している。本研究では、2つの肺癌細胞におけるAP1下流遺伝子の網羅的解析を行い、感受性細胞H1299のみで発現が抑制される遺伝子を同定し、肺癌細胞における機能と、ヒト肺癌組織における発現変化を明らかにすることによって、肺癌治療の新しい分子標的を同定することを目的とした。 本年度は、TAM67感受性細胞H1299と非感受性細胞H520において下流の遺伝子の発現変化をGene chipを用いて網羅的に解析を行ない、AP-1阻害感受性細胞で特異的に発現の低下する遺伝子27個をリスト化した。この中でDNA複製のライセンス化に関わる遺伝子minichromo some maintenance(MCM)4に着目し、TAM67による発現抑制を、定量的RT-PCR法とウエスタンブロット法によって確認した。NSCLC細胞3株において、siRNAによってMCM4蛋白質の発現を抑制すると、H1299を含む2株で細胞増殖抑制効果が認められた。以上より、MCM4はAP-1の下流でNSCLCの細胞増殖に重要な役割を果たしていることが示唆された。次年度は、MCM4の肺癌組織における発現を解析し、分子標的としての可能性を検討する。
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