2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄由来血管内皮前駆細胞の制御によるがん治療の検討
Project/Area Number |
20590910
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
大崎 能伸 Asahikawa Medical College, 医学部, 教授 (30191935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川辺 淳一 旭川医科大学, 医学部, 特任准教授 (10400087)
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Keywords | プロスタサイクリン / 骨髄細胞 / 血管新生 / ドラックデリバリーシステム / 転移癌 / 腫瘍血管 |
Research Abstract |
ヌードマウスの骨髄にプロスタサイクリン特異的受容体(IP)欠損マウスの骨髄を移植した、骨髄選択的にプロスタサイクリン特異的受容体(IP)の欠損したヌードマウスを利用した実験モデルを用いて、EPCの機能維持にEPC内のPGI2・IPオートクライン系が重要であることを明らかにした。つまり、骨髄選択的IP欠損マウスモデルをEPC機能障害モデルとして利用することにより、in vivoでのEPCの役割の解明が可能になることを明らかにすることができた。 次に、腫瘍の増殖・転移形成をin vivoで観察することを目的とした、ヌードマウス腫瘍皮下移植モデルを利用した検討の結果、(1)骨髄細胞でのIP欠損は、腫瘍移植モデルにおける腫瘍増殖・転移を抑制した、(2)外因性にEPCを導入すると、上記実験モデルにおける腫瘍増殖・転移抑制が解除された、(3)腫瘍での血管構成細胞におけるEPC数と、腫瘍血管形成度、腫瘍増殖度に連関性があったことを明らかにすることができた。 以上の検討の結果、研究計画に挙げる、(1)ヌードマウス腫瘍移植モデルにおける腫瘍増殖・転移の抑制効果を観察する、(2)このモデルで、外因性EPC導入による抑制効果が解除できるか確認し、さらに(3)腫瘍血管構成細胞におけるEPC数と、・腫瘍血管形成度、腫瘍増殖度の連関性について検討する。さらに、(4)プロスタサイクリン受容体阻害薬(CAY10441)投与による、末梢血中のEPC機能抑制効果、腫瘍増殖・転移抑制効果を確認する、(5)骨髄IP欠損マウス群では、本薬剤による効果を認めないかを検討するとした5つの目的のうち、(1)、(2)、(3)が達成された。この結果の一部は、学術誌に出版された(T. Sasaki, S. Tanno, K. Shibukawa, S. Osanai, J. Kawabe, Y. Ohsaki. Administration of VEGF receptor tyrosine kinase inhibitor increases VEGF production causing angiogenesis in humansmall-cell lung cancer xenografts. Int J Oncol, 33 : 535-532, 2008)。また、国際学会に発表した(T. Sasaki, Y. Ohsaki, K. Shibukawa, S. Okumura, J. Kawabe, S. Osanai. Impaired functionalendothelial progenitor cells inhibited growth of tumor-Prostacyclin signaling as a target for,cancertheraPy. Proc of American Association for Cancer Research, 49 :, 2008)。さらに、現在投稿準備中である。
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Research Products
(3 results)