2009 Fiscal Year Annual Research Report
慢性気道炎症に対する気道上皮細胞の制御機構の解析と新規治療の開発
Project/Area Number |
20590913
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
有馬 雅史 Chiba University, 大学院・医学研究院, 講師 (00202763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幡野 雅彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20208523)
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Keywords | 気道上皮細胞 / 気道炎症 / 転写抑制因子 / BCL6 / ケモカイン / ヒストン修飾 |
Research Abstract |
本研究は、気道上皮細胞におけるケモカイン産生の機能調節方法の研究を行うことによって,多くの慢性肺炎症性疾患に対する新規の治療法の開発を目指す.申請者らはヒトとマウスで類似したMCP-1を含むケモカイン遺伝子群のクラスター領域を見出しており,この領域において転写抑制因子であるBCL6の結合領域が数多く存在することを見出している.生体内でBCL6が気道上皮細胞においてこれらケモカイン遺伝子クラスターに対して発現を統合的に抑制する可能性を解析するために,サーファクタントA遺伝子プロモーターを利用して気道上皮細胞特異的にBCL6およびBCL6-ドミナントネガティブ(DN)遺伝子(BCL6-DN)が過剰発現するトランスジェニック(Tg)マウスを作製した。これらのマウスを用いてOVA(卵白アルブミン)腹腔感作喘息モデルを作製し解析した.その結果,OVA経気道投与による気道炎症およびケモカインのmRNAは気道上皮細胞内のBCL6によって抑制されることが明らかになった.肺胞上皮細胞株であるA549細胞に対して,BCL6-DNを強発現させて、内因性BCL6の機能を抑制したA549細胞のhistone modificationをクロマチン免疫沈降法で解析したところ,ケモカイン遺伝子クラスターのヒストンのアセチル化は広い範囲においてBCL6によって抑制されることを認めた.これらの結果から、BCL6はケモカイン遺伝子クラスターのヒストンを脱アセチル化することによってMCP-1を含むケモカイン遺伝子群の転写抑制作用することを明らかにした。以上より、BCL6は気道上皮細胞のケモカイン遺伝子のヒストン修飾を介して機能を制御することによって気道炎症を抑制することが示唆された。
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Research Products
(3 results)