2009 Fiscal Year Annual Research Report
小細胞肺癌に対するTh17細胞誘導を介した新規抗腫瘍免疫療法の開発
Project/Area Number |
20590915
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
各務 博 Niigata University, 医歯学系, 助教 (30418686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 光 新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (80207802)
吉澤 弘久 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (50282984)
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Keywords | Th17 / 制御性T細胞 / 小細胞肺癌 |
Research Abstract |
小細胞肺癌由来株化癌細胞について表面抗原を解析した。この結果、近年癌幹細胞マーカーとして知られているCD133陽性細胞が少なからず存在すること、浮遊で増殖する細胞株に関してはその90%以上がCD133を表出していにることを見出した。癌幹細胞関連抗原がTh17誘導に関わっている可能性があると考え、マウスメラノーマ腫瘍系において解析を進めた。CD133+癌幹細胞とCD133-通常癌細胞を分離培養し、通常癌細胞とCD133+癌幹細胞を樹状細胞存在下に皮下接種し所属リンパ飾に誘導されたCD4+T細胞を解析した。癌幹細胞抗原により誘導されたT細胞にはIL-17を癌幹細胞特異的に産生するTh17型細胞が大量に含まれていた。このT細胞は経静脈的に投与することで、親株腫瘍に対して通常癌細胞により誘導されたT細胞に比べて極めて高い抗腫瘍効果を示した。癌幹細胞特異的Th17投与したマウスの腫瘍内では活性化樹状細胞の浸潤がみられ、エフェクター型CD4T細胞が多数認められた。一方この腫瘍内や腫瘍所属リンパ節では制御性T細胞の誘導が抑制されていた。癌幹細胞、通常癌細胞や、それらと共培養した樹状細胞から産生されるIL-12,IL-23,IL-6などに差はみられなかった。以上より、癌幹細胞に特異的抗原がTh17誘導に関わっていると考え、二次元電気泳動法を用いてプロテオーム解析をおこなった。癌幹細胞に発現が多い蛋白質4つを同定した。以上の結果は、2009年日本癌学会学術総会、及び2010年American Association for Cancer Researchにおいて発表した。現在、論文投稿中である。
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Research Products
(5 results)