2009 Fiscal Year Annual Research Report
肺非小細胞癌におけるサイド・ポピュレーションの解析による肺癌幹細胞特性の研究
Project/Area Number |
20590918
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
近藤 征史 Nagoya University, 医学部付属病院, 講師 (00378077)
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Keywords | 肺癌 / 癌幹細 / EGFR遺伝子変異 |
Research Abstract |
EGFR遺伝子変異をもつ肺癌細胞株から色素(Hoechst33342)の排泄能の違いにより、幹細胞の性質を持つ細胞集団(サイド・ポピュレーション)をより分離しようと試みた。乳癌、脳腫瘍などの細胞株と違い、肺癌においては、幹細胞の性質を持つ細胞集団の分離はできなかった。本年度は、細胞株を、血清無添加で、なおかつ非接着の状態で培養して、幹細胞の性質をもつかを検討した。EGFR遺伝子に変異を持つNCI-H3255、HCC4011、NCI-H1650では、上記の培養条件にてsphereを形成することが判明した。この条件で、EGFR阻害剤の感受性を検討したが、明らかな差異は検出できなかった。幹細胞の性質と関連している遺伝子発現(ABCG2、OCT4、MYC、p63など)を検討したが、親株と比較して有意な差は認められなかった。しかし、接着因子であるEpCAMの発現は、sphereの状態で低下する傾向がり、その生物学的な意義を解明するために、EpCAMのsiRNAを合成して、ノックダウンすると細胞増殖が抑制されて、アポトーシスが生じることが明らかになった。Sphereの形成能を検討するために、安定的にEpCAMの発現を低下させた細胞株を作成している。EMT(epithelial-mesenchymal transitions)に関連する遺伝子の発現も検討し、E-カドヘリンやZEB1遺伝子が変化していることを見いだし、その機能を解析するため、ZEB1遺伝子をノックダウンして、細胞増殖能、薬剤感受性などを検討した。
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