2010 Fiscal Year Annual Research Report
肺非小細胞癌におけるサイド・ポピュレーションの解析による肺癌幹細胞特性の研究
Project/Area Number |
20590918
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
近藤 征史 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (00378077)
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Keywords | 肺癌 / 癌幹細 / EGFR遺伝子変異 |
Research Abstract |
昨年度は、細胞株を、血清無添加で、なおかつ非接着の状態で培養して、幹細胞の性質をもつかを検討した結果、接着因子であるepithelial cell adhesion molecule (EpCAM)の発現が関与していることが判明した。今年度は、EpCAMが発癌過程において関与するかを検討するために、肺癌細胞株において、EpCAMの発現やその機能を検討した。18細胞株でRT-PCR法にて検討した結果、EGFR遺伝子の変異がある細胞株で、EpCAMの発現が高い傾向があった。細胞間で発現量の違いを検討するために、フローメトリーによる個々の細胞のEpCAMの発現を検討して、肺癌細胞NCI-H460において、細胞間において、発現の差を認めた。この細胞において、EpCAMが幹細胞のマーカーである可能性が示唆された。しかしながら、磁気ピースにより、EpCAM発現の強い細胞集団と弱い細胞集団を分離して、薬剤感受性sphereの形成能の違いを検討しているが、現在のところ有意な差をみいだしていない。EpCAMが癌細胞の生存自体に関与している可能性を検討するため、細胞株にEpcAMに対するsiRNAを合成して、ノックダウンをおこなった。EpcAMの発現低下をさせると、足場依存および非依存の細胞増殖が、複数の細胞株において抑制されることが明らかになった。細胞増殖の抑制の機序は、アネキシンや細胞周期による解析によりアポトーシスによることが明らかになった。また、幹細胞と密接に関連しているepithelial-mesenchymal transitions (EMT)を制御する遺伝子のひとつであるZEB 1遺伝子が肺癌細胞株や悪性中皮腫株において、過剰発現していることを見いだし、ZEB 1遺伝子をノックダウンすることにより、細胞増殖能が低下することを見いだした。
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