2008 Fiscal Year Annual Research Report
肺がん治療標的としての上皮間葉系細胞転換 (EMT) 関連分子同定の研究
Project/Area Number |
20590919
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
佐藤 光夫 National Institute for Longevity Sciences,NCGG, 老化機構研究部, 研究員 (70467281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 好規 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20270986)
安藤 雄一 名古屋大学, 医学部附属病院, 准教授 (10360083)
澤木 正孝 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特任講師 (20402597)
満間 綾子 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特任助教 (10467326)
河田 健司 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助手 (30418743)
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Keywords | 上皮間葉系細胞転換 / 非閉塞性肺疾患癌 |
Research Abstract |
本研究の目的は、肺がんの新規治療標的となり得る上皮間葉系細胞転換(EMT)関連分子を同定することである。そのために、平成20年度は以下の成果を得た。 (1)まず、肺がん細胞株を上皮系と間葉系に分類することが可能であるかどうかを検討した。 【方法】肺がん細胞株と肺がん臨床検体における上皮性マーカーであるE-cadherinと間葉系マーカーであるvimentinの発現をRT-PCRにて定量化した。 【結果】肺がん細胞はE-cadherinあるいはvimentinのいずれかを優位に発現しており、これらの遺伝子の発現状態により上皮系と間葉系に分類することが可能であった。 (2)次に、肺がん細胞株における既知の重要なEMT誘導遺伝子の発現と上皮系または間葉系の性質との相関関係を検討した。 【方法】肺がん細胞株における6つのEMT誘導遺伝子の発現を定量化し、E-cadherinとvimentinの発現との相関を検討した。 【結果】幾つかのEMT誘導遺伝子は肺がん細胞株において強発現していた。また、間葉系の性質との相関関係も認められた。 これらの結果は、肺がんにおけるEMTの存在を強く示唆した。更に、肺がんにおいて特に重要な治療標的としての可能性を持つEMT誘導遺伝子を特定した点において重要である。平成21年度はそれらの遺伝子の生物学的意義を不死化正常気管支上皮細胞株への遺伝子導入実験等によって更に研究する予定である。
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