2010 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生とリンパ管新生におけるテトラスパニンの機能解析
Project/Area Number |
20590922
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 良 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10546865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 吉人 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (40452388)
立花 功 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (60324761)
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Keywords | リンパ管新生 / テトラスパニン / CD9 |
Research Abstract |
CD9、CD151を含むテトラスパニンは、インテグリンやその他の膜蛋白と複合体を形成し増殖、アポトーシスや癌転移など様々な機能に影響を与える細胞膜4回貫通型蛋白ファミリーである。癌細胞におけるテトラスパニンは浸潤や転移に重要であることが報告されてきたが、宿主におけるテトラスパニンの役割は十分に解明されていない。我々はCD151が血管新生を促進することを報告してきたが、テトラスパニンのリンパ管新生における役割は未だ不明である。血管新生については精力的な研究の結果、血管新生阻害剤が臨床応用されるようになった。一方リンパ管新生は最近になってリンパ管特異的な分子や増殖因子が同定されようやく研究が始まったばかりである。さらにリンパ管新生は癌の転移のみならず炎症の制御や免疫反応にも関与することが明らかになり益々注目を集めている。そこでリンパ管内皮細胞におけるテトラスパニンの発現とCD9 Knockout (KO)マウスを用いたリンパ管新生におけるCDの役割についても解析した。 まずヒト皮膚リンパ管内皮細胞におけるテトラスパニンの発現を解析したところインテグリンよりも強い発現を認めた。次にCD9 Knockout (KO)マウスから単離した内皮細胞は2次元や3次元における形態形成、走化性や増殖などのリンパ管新生に重要な機能の低下を認めた。さらにCD9の欠失によりリンパ管新生に必須のシグナル(VEGFR-3, p38, jnk)の減弱を認めた。その機序としてヒトリンパ管内皮細胞上では、CD)がリンパ管新生に必須の分子と会合し、CD9が欠失することによりこれらとの会合不全がおこることがリンパ管新生の低下のメカニズムであることが示唆された。
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