2009 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠時無呼吸症候群による時計遺伝子障害に関する研究
Project/Area Number |
20590923
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
鰤岡 直人 Tottori University, 医学部, 准教授 (50252854)
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Keywords | 睡眠時無呼吸症候群 / 時計遺伝子 / 内科学 / 低酸素 / IL-6 / VEGF / 生理学 |
Research Abstract |
(1) 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は,交感神経機能亢進に加えて,持続的低酸素血症でなく間歇的低酸素血症を引き起こす.健常者群,OSAS患者群,持続気道陽圧(CPAP)呼吸療法を3ヶ月行った後のOSAS患者群の3群で血清IL-6, VEGF濃度をELISAで調べた.血清IL-6濃度は健常者群に比べてOSAS患者群において有意に上昇していたがCPAP呼吸療法により有意に低下した.一方,血清VEGF濃度は3群間で有意な変化はなかった. (2) 昨年度に引き続き持続的低酸素血症による転写因子HIF-1を介した標的遺伝子VEGF mRNA発現および間歓的低酸素血症による転写因子NF-kBを介した標的遺伝子IL-6 mRNA発現を調べた.さらに,培養細胞を用いて時計遺伝子の中で重要な遺伝子Period1 mRNA発現が持続的低酸素血症あるいは間歇的低酸素血症で変化するか検討した.(1)と(2)の結果は日本呼吸器学会総会および英文論文で発表した.結論として,(1) OSAS患者の主要病態である間歇的低酸素血症はVEGF産生に影響は少なく,IL-6産生に大きな影響を及ぼしOSAS患者の全身炎症の一因となる.(2) 持続的低酸素血症あるいは間歇的低酸素血症の低酸素状態は時計遺伝子Period1 mRNA発現に影響を与えない. (3) 閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者のうち,高血圧合併症例群と合併していない群の末梢血(白血球)時計遺伝子Period1 mRNA発現を検討したが,明確な差異を認めなかった.しかし,少数例における解析であるため,さらなる検討が必要と考えられた.
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Research Products
(4 results)