2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイコプラズマ由来リポプロテインの肺炎病態形成における機能解析と治療戦略
Project/Area Number |
20590938
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
桑野 剛一 Kurume University, 医学部, 教授 (60215118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木田 豊 久留米大学, 医学部, 助教 (30309752)
清水 隆 久留米大学, 医学部, 助教 (40320155)
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Keywords | Mycoplasma pneumoniae / 肺炎 / リポプロテイン / TLR / 感染症 |
Research Abstract |
本年度、in vivoにおけるリポプロテインFAMの機能解析を行い、次の成果を得た。 (1) FAMを検出するために、FAMのアミノ酸配列から抗体エピトープ1を選択し、当該合成ペプチドの免疫により、ウサギポリクローナル抗体を得た。さらに抗体エピトープ2を選択し、同様にモルモットポリクローナル抗体を得た。これらの抗体はウエスタンブロットで、FAMを検出した。また、サンドイッチELISAをウサギ抗体をCA(吸着)抗体、モルモット抗体をDE(検出)抗体とすることにより構築し、FAM抗原を検出することができた。M. pneumoniae生菌を検出するためには、界面活性剤による処理が必要であった。M. penetrans、M. genitaliumとは反応しなかった。さらに、生菌を標的抗原として感度を検討したところ、200CFU前後まで、検出可能であった。in vivoの急性感染系におけるM. pneumoniae感染マウスの気管支肺胞洗浄液(BALF)中のFAM抗原を検出できた。 次に、M. pneumoniae感染細胞系で、ウサギポリクローナル抗体を使った免疫蛍光抗体法でFAMの検出を行った。M. pneumoniae感染細胞、および分離したFAM処理細胞で、シグナルは弱いがFAMを検出した。感染マウス肺組織でも同様に、免疫蛍光抗体法を試みたが、検出できなかった。 (2) in vivoにおけるFAMの機能解析を行った。FAM20を経鼻的に投与すると、24時間後に気管支周囲に炎症細胞の著明な浸潤を認めた。一方、FAM20を腹腔内、あるいは静脈内へ投与してもマウスが致死することはなかった。この結果は、生体内では、リポプロテインは血清中の未知物質等により、その炎症誘導活性が中和されている可能性を示した。
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Research Products
(6 results)