2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子による肺障害の解明と有害性評価システムの構築
Project/Area Number |
20590939
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
森本 泰夫 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 産業生態科学研究所, 教授 (30258628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 勇武 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (00038035)
廣橋 雅美 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教務職員 (50389475)
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Keywords | ナノ粒子 / 肺傷害 / キャラクタリゼーション / ハザード / 環境 |
Research Abstract |
試料として、酸化ニッケルナノ粒子(BET 104.6m^2/g、比表面積径8.41nm、公称径20nm、純度99.8%)、二酸化チタンナノ粒子(14nm、DLS:130nm、BET 102m^2/g、比表面積径15nm、チタン60%)を用いた。ナノ粒子は、表面積が大きいため、表面に蛋白を吸着し、細胞毒性が反映されない可能性があるので、蛋白コーティング処理を行った。曝露物質を10%FBS含有D-MEM 25mlで、ボルテックスミキサー、ソニケーターを用いて分散後、遠心。上清を除去した後、FBSを含まないD-MEM 25mlで、ボルテックスミキサー、ソニケーターを用いて再分散し、再度遠心。再度、上清を除去した後、1%FBSを含むD-MEMを加え、再分散を行い、ナノ粒子懸濁液を作成した。0.5%FCSを含むD-MEM溶液を用いたA549細胞浮遊液を、6穴の細胞培養プレートに加え、5.0×10^5/wellに調整し、一晩培養。予備吸着させた二酸化チタン、酸化ニッケルの懸濁液を加え、最終濃度25・g,50・g,/cm^2とした。48時間後に、上清を回収しLDH放出能を測定した。また、付着したA549細胞から蛋白を抽出し、IL-8濃度、Heme-oxygenase-1(HO-1)濃度を測定した。LDHに関しては、二酸化チタンナノ粒子では、25・g,50・g,/cm^2ともmediumとほとんどかわらず、酸化ニッケルナノ粒子は用量依存性に放出量が増加した。同様にIL-8濃度、HO-1濃度に関しても、二酸化チタンはほとんどかわらないか、経度の低下傾向を示したのに対し、酸化ニッケルナノ粒子では、用量依存性は認められなかったが、有意に増加した。表面処理を行った酸化ニッケルナノ粒子や二酸化チタンナノ粒子は、試験管内試験において陽性対照、陰性対照となりうることが示唆された。酸化ニッケルナノ粒子や二酸化チタンナノ粒子の気管内注入は、終了している。
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