2008 Fiscal Year Annual Research Report
心腎連関機序:新規骨髄由来細胞の関与とその臨床評価システムの構築
Project/Area Number |
20590952
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
和田 隆志 Kanazawa University, 医学系, 教授 (40334784)
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Keywords | fibrocyte / ケモカイン / 腎臓 / 線維化 / レニン / アンジオテンシン / コラーゲン |
Research Abstract |
慢性腎臓病の進展過程において、心腎連関といわれる心血管病変が生じ、生命予後を左右する重要な病態である。本研究では末梢血中の骨髄由来細胞、fibrocyteに注目し、腎臓病に由来する心血管病変すなわち、マウスアンギオテンシンII持続全身投与に一側尿管結紮をくわえたモデルを用いて、腎心相関機序におけるfibrocyteの関与を検討した。【結果】収縮期血圧はアンギオテンシンII持続投与群(AII) 147.3mmHgおよびアンギオテンシンII持続投与+-側尿管結紮群(AII+UUO)152.3mmHgでコントロール群(CON)105mmHg,一側尿管結紮群(UUO)125.7mmHgに比し高値であったが、AIIとAII+UUO間では差を認めなかった。心重量、心間質線維化面積および心内TGF-β発現はAIIおよびAII+UUOでCON、UUOに比し高値であり、かつAII+UUOでAIIに比し高値であった。心組織を用いた免疫組織染色にて、CD45/I型コラーゲン二重陽性fibrocyteは心間質を中心に浸潤を認めた。Fibrocyte浸潤数は心間質線維化の程度と一致して、AIIおよびAII+UUOでCON、UUOに比し高値であり、かつAII+UUOでAIIに比し高値であった。さらに心内CCL2(CCR2リガンド)およびCCL21(CCR7リガンド)発現はAIIおよびAII+UUOでCON、UUOに比し高値であり、かつAII+UUOでAIIに比し高値であった。【結語】腎障害を契機に、fibrocyteはケモカイン・ケモカインレセプターシステムによる心への浸潤を介して腎心相関機序に関与することが示唆された。
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Research Products
(8 results)