2009 Fiscal Year Annual Research Report
腎傍糸球体におけるレニン分泌制御機構:細胞間コミュニケーションの役割
Project/Area Number |
20590953
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
姚 建 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (50303128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 正敬 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (90333062)
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Keywords | 腎臟 / ギャップ結合 / コネクシン / レニン / レニン分泌細胞 / 細胞間コミュニケーション / cAMP / 傍糸球体装置 |
Research Abstract |
腎傍糸球体細胞からのレニン産生・分泌は血圧、血流量の恒常性維持に重要な役割を果たしている。レニンの分泌は神経、血管作動物質、成長因子、サイトカインなど多くの因子のパラクライン作用により調節されている。さらに最近の知見として、ギャップ結合を介した細胞間コミュニケーションがレニン分泌及びレニン依存性高血圧に極めて重要な役割を果たしているが明らかにされた。しかしギャップ結合がどのようにしてレニンの産生、分泌を調節しているかその詳細は未だ明らかではない。本研究の目的はレニン分泌の調節においてギャップ結合が担う役割を解明するものである。21年度得られた成果は以下の通りである。 1.レニンプロモーター配列の下流に分泌型アルカリフォスファターゼ(SEAP)遺伝子を插入し、プラスミドを作成した。それをレニン分泌細胞株(As4.1)に導入し、培養上清のSEAP活性を測定することにより、レニンの調節する因子を簡単、敏感且つ特異的なscreening systemを構築した。 2.低カルシウム刺激により、レニン分泌が誘導され、これはcAMPを介する情報伝達系の活性化(細胞内cAMP濃度の増加、VASP及びCREB蛋白の燐酸化)が深く関わっていることが明らかになった。 3.ギャップ結合阻害剤である18alpha-glycyrrhetinic acid(α-GA)を作用させると、レニン分泌細胞のコネクシン43蛋白が減少し、ギャップ結合を介した細胞間シグナルの伝達をブロックした。逆に、COX-2の発現レベルが増加した。これは、PI3kinase/AKTを介したシグナル伝達系と関連していることを証明した。以上の結果から、ギャップ結合はレニン合成と分泌に関与していることが示唆された。.
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Research Products
(9 results)