2008 Fiscal Year Annual Research Report
IgA腎症の発症機序における常在菌、特にブドウ球菌膜抗原の関与の研究
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20590960
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
小山 哲夫 Ibaraki Prefectural University of Health Science, 保健医療学部, 学長 (80111384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 直人 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (40239900)
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Keywords | ヒトIgA腎症 / MRSA関連腎症 / ブドウ球菌膜抗原 / 低親和性IgA抗体 / 高応答抗体産生性 / IgA免疫複合体沈着 |
Research Abstract |
平成20年度計画の趣旨は「どの様な免疫複合体を形成するのか」である。 IgA腎症(IgAN)患者群(n=16)、MRSA関連腎症(MRSA)患者群(n=19)、正常(N)群(対照群,n=13)の各血清を、固相化ヒトIgGでProtein Aを吸収したS.aureus菌膜抗原をELISA plateに吸着させたwellsに反応後、sodium thiocyanate(0.25to3.0M)を用いたdissociation assayの系(MacDonald et al,J Immunol Methods1988)にて、ELISA法を応用した抗体(抗S.aureus抗体:IgG,IgA)のavidity測定法で解析した。その結果、1.IgA抗体はIgAN群,MRSA群においてN群に比較して高抗体価であった。2.IgG抗体はMRSA群においてIgAN群,N群に比して高抗体価であった。3.IgG抗体価、IgA抗体価には3群ともに正相関を認めた。4.IgAにおいては、その抗体価とavidityには相関は見られなかった。5.IgGのavidityは、3群ともほぼ同程度であった。6.然しながらIgA群のavidityは、MRSA群とN群との比較において、IgAN群では低値であった。7.MRSA群ではIgGの抗体価とavidityには正相関が見られた。8.しかしIgAにおいては、3群間に関連を認めなかった。 以上より、lgAN群はlgAの高抗体価を示すhigh responderかつlow avidityが特徴であった。即ち、IgA腎症患者は、S.aureusに対して高抗体価を産生するhigh responderでありながら、かつ産生されるIgAはlow avidityであり、そのことが免疫系を介する抗原物質の除去機構を免れての腎糸球体へのIgA免疫複合体沈着と持続の要件である可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)